株の「出来高」とは?初心者にもわかりやすく、今日から使える見方と活用法を解説

株の用語
2025.09.15
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株価チャートの下に棒グラフが並んでいるのを見たことがあるはずです。あれが「出来高(できだか)」です。出来高はある期間に「いくつの株が売買で成立したか」を表す数値で、株の注目度や勢い、そしてトレンドの信頼度まで教えてくれる、基礎にして強力な指標です。

本記事では、初心者の方でも迷わないように、出来高の基本から、失敗しない使い方、すぐに試せるチェックリストまで順番に解説します。難しいことは最小限に、実戦で役立つ「見え方・考え方」を重視しています。

出来高の基本:意味・単位・株価との関係

出来高=その期間に約定した株数の合計

出来高は「取引が成立した株数の合計」です。1日単位なら「日中に何株約定したか」、5分足なら「その5分で何株約定したか」を示します。売りと買いは必ず同数で成立するため、出来高は「一方向の力」ではなく「どれくらい取引が活発だったか」を映す指標です。

単位と見方の基本

  • 単位は「株」。日本株は一般に「売買単位=100株」が多いので、10,000株の出来高は「100株の取引が100回成立」のイメージ。
  • 出来高の棒が高い=その時間帯・日が「にぎわっていた(取引量が多かった)」。
  • 出来高が低い=「薄商い」。板が薄いとスプレッドが広がり、思わぬ値動きになりやすい。

出来高と売買代金の違い

出来高は「株数」、売買代金は「金額(出来高×株価)」です。低位株は出来高が多くても代金は少ないことがあります。資金の流入度を測るなら「売買代金」も併せて確認しましょう。

時間軸で意味が変わる

  • 日足の出来高:中期的な注目度・トレンドの信頼性を見るのに向く。
  • 5分足・分足の出来高:ブレイクの瞬間や利確・損切りの集中を捉えるのに有効。

出来高が教えてくれる3つのこと:流動性・注目度・トレンドの信頼性

1. 流動性(売り買いのしやすさ)

出来高が多い銘柄は注文が通りやすく、売りたい時・買いたい時に約定しやすい。逆に出来高が少ない銘柄は、思った価格でさばけない「板の薄さ」に苦しむことがあります。初心者は、まず一定の出来高がある銘柄を選ぶのが安全です。

2. 注目度(ニュース・材料の反応)

決算、材料、レーティングなどが出ると、出来高が急増しやすい。出来高急増=市場参加者が一斉に「値付けし直し(再評価)」しているサインです。価格と出来高の組み合わせで、市場がどう受け止めたか(好感・失望・様子見)を推測できます。

3. トレンドの信頼性(本物度)

一般に「出来高を伴う上昇」は信頼性が高く、「出来高が減る調整」は健全とされます。逆に、出来高がない上昇や、出来高を伴う急落は要注意。大きな資金が参加していない上昇は、崩れると戻りが弱くなりやすいです。

出来高の実戦的な使い方:エントリー・利確・リスク管理

1. ブレイクアウトは「出来高の伴走」が条件

レジスタンス(過去高値・トレンドライン)を上抜く際、出来高が増えていれば、上抜けに賛同する参加者が多いサイン。出来高が平凡以下での上抜けは「だまし」になりやすく、戻り売りに押されやすいです。

2. 押し目買い・戻り売りの強弱判定

  • 上昇トレンド中の押し目で出来高が減る=売り圧力が弱い可能性。
  • 戻りで出来高が膨らむ=戻り売りの圧力が強く、上値が重いサイン。

3. トレンド転換の手がかり

大陰線の後に「出来高を伴う下げ止まりの陽線」や「安値圏の大きな下ヒゲ+高出来高」が出ると、短期的な反転が起きやすい。逆に高値圏での出来高急増・長上ヒゲは利確と新規売りの交錯=転換警戒です。

4. シナリオ思考に出来高を組み込む

  • 想定A:節目突破で出来高が増える→保有継続・買い増し検討。
  • 想定B:突破したのに出来高が増えない→利確を早め、再エントリーを狙う。
  • 想定C:支持線割れで出来高急増→ロスカットを徹底、次の機会を待つ。

5. 補助指標としての出来高

  • 出来高移動平均線(VMA):平常時の出来高水準を可視化し、急増の度合いを判断。
  • OBVやVWAP:資金の流入傾向や平均コストの目安として、出来高と併用。
  • 売買代金ランキング:資金が集まる「今、舞台の真ん中にある銘柄」を素早く把握。

初心者が陥りやすい勘違いと注意点

「出来高が多ければ必ず上がる」は誤解

出来高は「方向」ではなく「熱量」。高値圏の出来高急増は「利確や損切りの決着(受け渡し)」で終わることも多く、上昇の保証ではありません。価格の位置(支持・抵抗)と組み合わせて解釈することが大切です。

薄商い銘柄のリスク

  • スプレッドが広がり、成行注文で思わぬ不利約定になりやすい。
  • 板を動かしやすく、短時間に急騰・急落しやすい。
  • 損切りしたくても売れない「出口の狭さ」に苦しむことがある。

イベント前後のノイズ

決算直後は一時的に出来高が跳ね、方向が定まらない乱高下が起きがち。初動の出来高は大切ですが、1~2日かけて「落ち着いた後の出来高の推移」を見ると、より精度の高い判断ができます。

時間帯の偏りに注意(寄り付き・引け)

日本市場では寄り付きと引けに出来高が集中します。分足で見ると、これが「出来高急増」に見えることがあります。日中のトレンド判断では、寄り・引けの出来高特性を頭に入れておきましょう。

「出来高だけで」決めない

出来高は強力ですが万能ではありません。トレンド(移動平均や高安の切り上げ/切り下げ)、節目(サポート・レジスタンス)、ファンダ(業績・需給)、ニュースの有無と併せて総合判断しましょう。

明日から使えるチェックリストと練習法

日足での5つのチェック

  • 直近5~20日での出来高移動平均を上回る増加か。
  • レジスタンス突破に出来高が伴っているか。
  • 押し目・調整では出来高が萎んでいるか。
  • 高値更新時に出来高が伸び悩んでいないか。
  • 売買代金が十分か(目安:自分の資金規模の数十倍以上)。

分足での3つの着眼点

  • 初動の大陽線に「次の足でも」出来高が続くか。
  • 厚い出来高を残した価格帯(出来高だまり)での押し目の反応。
  • 急落時の出来高ピーク後に下ヒゲ・戻しが出るか。

記録をつけて精度を上げる

スクリーンショットで「価格と出来高」をセット保存し、翌日以降の結果を検証しましょう。ブレイク時の出来高倍率(平常比何倍)や、その後の値動きの再現性を数えていくと、自分なりの有意パターンが見えてきます。

スクリーニングのヒント

  • 出来高急増(前日比2~5倍以上)を抽出し、節目とニュースを確認。
  • 売買代金上位から、テーマ性や材料性のある銘柄を選別。
  • 低位株の出来高増は代金も必ずチェック(誇張に注意)。

リスクとルール

  • 出来高頼みの成行突入は避け、指値や分割エントリーでコントロール。
  • シナリオ否定(支持割れ・出来高逆行)時は素早く撤退。
  • イベント日(決算・指数入れ替え)前後はポジション量を軽く。

出来高に関する用語ミニ辞典

  • 薄商い:出来高が少ない状態。値が飛びやすい。
  • 出来高だまり:過去に多くの売買が成立した価格帯。支持・抵抗になりやすい。
  • ブレイクアウト:節目の上抜け(または下抜け)。出来高の裏付けが重要。
  • 出来高移動平均:出来高の平均線。急増の判断基準に使う。

まとめると、出来高は「市場の熱量メーター」です。値動きの背景にある参加者の多さ・資金の厚みを、数値と形で見せてくれます。価格だけでは読めない「本気度」を測る物差しとして、トレンド判定、エントリー、利確・損切りの判断に、ぜひ取り入れてみてください。

もちろん、出来高は万能ではありません。ニュース、決算、金利・為替といった外部要因や、指数イベントなどのカレンダーも加味することで、判断の精度は一段と上がります。小さく試し、記録し、検証する——この積み重ねが、出来高を「線」ではなく「物語」として読み解く力を育ててくれます。

最後に一言。チャートの下の棒グラフは、単なる飾りではなくあなたの次の一手に、きっと確かな根拠を与えてくれるはずですのでしっかりと確認しておきましょう。

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