逆指値注文の方法と使い方完全ガイド:しくみ・設定手順・例でわかる実践ポイント

株の用語
2025.09.21
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「逆指値注文」は、価格があらかじめ決めた水準に達したときに自動で発注する方法です。下がったら売る、上がったら買うといった“条件つきの発注”ができるため、損失を小さくしたいときや、ブレイクの流れに乗りたいときに役立ちます。

本記事では、逆指値注文の基本から、パソコン・スマホでの設定手順、価格の決め方、注意点、資金管理までをまとめて解説します。株、FX、先物、暗号資産(仮想通貨)など、商品は違っても考え方はほぼ同じです。専門用語はできるだけ避け、具体例を多めに示します。

「逆指値」「逆指値注文 方法」「逆指値 使い方」「逆指値 損切り」「逆指値 ブレイクエントリー」などで情報を探している方が、この記事だけで実践まで進められる構成です。

逆指値注文とは?基本の考え方と仕組み

通常の「指値」は、指定した価格“以下で買う・以上で売る”注文です。一方の「逆指値」は、指定した価格“以上で買う・以下で売る”注文です。価格が条件に“到達したら”発注が動くのが特徴です。

逆指値は大きく次の2通りに分かれます。

  • 逆指値成行(ストップ):条件を満たすと成行で発注。約定しやすいが、滑って不利な価格になることがある。
  • 逆指値指値(ストップリミット):条件を満たすと指値で発注。滑りを抑えられるが、急変時に約定しないことがある。

また用途で見ると、次の2つが代表的です。

  • 損切り用の売り逆指値:保有中の買いポジションを、下がったら自動で売って損を限定する。
  • ブレイク狙いの買い逆指値:上抜けたら買って上昇の流れに乗る。売りポジションなら下抜けたら売り増しに使う。

「OCO」「IFD」「IFD-OCO」「トレール」の位置づけ

実務では、逆指値を次のような複合注文と組み合わせて使うことが多いです。

  • OCO:利益確定の指値と、損切りの逆指値を同時に出し、どちらかが成立したらもう片方を自動取消。
  • IFD:新規注文が約定したら、次の注文(指値や逆指値)を出す予約。
  • IFD-OCO:新規→(利益確定と損切りの同時管理)までを一括登録。
  • トレール(トレーリングストップ):価格の動きにあわせて逆指値の水準を自動で追随させる。

これらは呼び名や画面の配置がサービスによって違いますが、やっていることは「到達したら自動で次の動きをする」という点で同じです。

逆指値注文の方法(発注までの手順)

ここでは、PC・スマホアプリに共通する基本の流れを示します。実際の画面は各社で異なりますが、順番はほぼ同じです。

基本の流れ

  • 銘柄または通貨ペアを選ぶ。チャートと現在値を確認する。
  • 注文画面を開き、「注文の種類」で「逆指値」または「ストップ」を選ぶ。
  • 数量を入力する。少額から始め、誤発注を避ける。
  • 条件価格(トリガーになる価格)を入力する。
  • 執行方式を選ぶ。成行で確実に出すか、指値で範囲を限定するかを決める。
  • 有効期限(当日、期間指定、無期限)を設定する。
  • 内容を確認し、発注する。注文一覧で登録済みかチェックする。

スマホでの注意ポイント

  • 数字の打ち間違いが起きやすい。必ず「確認画面」で価格と方向(買い・売り)を再確認。
  • 誤タップ防止のため、注文前に画面ロックやスリープ設定を見直す。
  • 通信が不安定な場所では、約定履歴の更新に時差が出ることがある。慌てて重複発注しない。

「逆指値成行」と「逆指値指値」の使い分け

  • 確実に逃げたい損切りは「逆指値成行」。ただし急変時の滑り(想定より不利な約定)は許容する。
  • 滑りを抑えたいときは「逆指値指値」。ただし注文が残ってしまい、結果的に損が膨らむリスクを理解する。

どちらが正しいではなく、相場の荒さ、時間帯、イベントの有無、保有量などで使い分けます。

価格設定のコツと具体例

逆指値は「どの価格に置くか」で結果が大きく変わります。ここでは実例でイメージを固めましょう。

例1:保有中の株を損切りしたい(売りの逆指値)

例:1000円で買った株がある。950円を明確に割り込んだら売って撤退したい。

  • 逆指値成行:条件価格を950円に設定。950円以下になった時点で成行売り。急落時は940円などで約定する可能性もある。
  • 逆指値指値:条件価格950円、指値は945円(これ以下では売らない)。滑りを5円までに制限できるが、950→940円と飛んだ場合は約定しない。

「絶対に逃げる」ことを優先するなら成行。「約定しないリスク」を許容した上で範囲を限定したいなら指値を選びます。

例2:上抜けでエントリーしたい(買いの逆指値)

例:レジスタンスと見ている1200円をしっかり超えたら買いたい。ダマシを減らすために、1205円で条件をつける。

  • 買いの逆指値成行:条件価格1205円。上抜けの勢いに乗りやすい。
  • 買いの逆指値指値:条件1205円、指値1210円など。スプレッドの広がりや急騰時の高値掴みを抑える狙い。

ブレイク狙いは「追いかける」性質があるため、あらかじめ損切りもセットにするのが基本です。IFD-OCOで、買い→利益確定(指値)と損切り(逆指値)を同時に登録しておくと管理が楽になります。

例3:トレールで利益を伸ばす

例:買いポジションが含み益。高値から3%下がったら売る設定にして、上がる限りは逆指値が自動で切り上がるようにする。

  • 高値更新に追随して逆指値も上がるため、見張り続ける手間が減る。
  • 急落には弱い。ギャップで一気に条件を飛び越えると、実際の約定は想定より低くなる。

例4:イベント前後に幅をとる

例:決算発表や重要指標の前後は値が飛びやすい。逆指値成行は約定しやすいが滑りやすい。逆指値指値は約定しないリスクが高まる。

このような場面では、数量を抑える、逆指値の距離を広げる、そもそも持ち越さないなど、事前のルールで調整するとブレにくくなります。

よくあるミスと注意点のチェックリスト

逆指値は便利ですが、設定を少し間違えるだけで意図しない取引が発生します。発注前後は以下を確認しましょう。

  • 方向の取り違え:「買い逆指値」と「売り逆指値」を逆に選んでいないか。
  • 価格の桁ミス:1,005を10,05、1005を105など。確認画面で必ず読み上げるつもりでチェック。
  • 条件価格と指値価格の前後関係:逆指値指値では、条件価格と実際の指値の位置関係が正しいか(例:売りなら指値は条件価格以下など)。
  • 有効期限:当日だけ有効にしたつもりが無期限のまま放置、またはその逆。
  • 気配と板の薄さ:薄い銘柄や時間帯は、成行の滑りが大きくなりやすい。
  • ギャップリスク:寄り付きで価格が飛ぶと、想定外の価格で約定する。重要ニュースや決算の直後は特に注意。
  • 重複注文:同じ逆指値が二重になっていないか。注文一覧を毎回確認。
  • 通知設定:発注・約定・取消の通知をオンにし、異常に気付きやすくする。

OCO・IFDの運用でありがちな落とし穴

  • 片方の注文だけ修正して、もう片方が古いまま残る。セット全体を見て整合性を取る。
  • 利益確定が近すぎてすぐ約定し、リスクリワードが悪化する。損切り幅と利益幅の比率を事前に決める。

「何が起きたらどうするか」を事前に文字で書き出し、その通りに逆指値を置く習慣が、ミス防止に最も効きます。

逆指値を活かす資金管理と売買ルール作り

逆指値は「操作」ではなく「計画」の一部です。どこで損切りするか、いくらまでの損失を許容するかを数字で決め、数量とセットで考えましょう。

1回の損失をどれだけにするか決める

口座残高の1〜2%など、あらかじめ上限を決めておくと、連敗が続いても資金が急減しにくくなります。金額で決めても構いません(例:1回の取引で負けてよい金額は1万円まで)。

数量(ロット)の決め方

数量は「許容損失額 ÷(エントリー価格 − 損切り価格)」でおおまかに求められます。

例:1000円で買い、950円で損切りにする。1回の損失上限を1万円にしたい場合、10,000 ÷(1000 − 950)=200株が目安です。先に損切り位置を決め、そこから数量を調整するのがポイントです。

リスクリワードの考え方

損切り幅と利益確定幅の比率(リスクリワード)を1:1以上、できれば1:1.5〜2程度に設定すると、勝率が5割を切っても成績が安定しやすくなります。OCO注文で逆指値と指値を同時に置き、比率を崩さない運用を心がけましょう。

時間帯・ボラティリティへの対応

  • 市場が動きやすい時間帯は逆指値までの距離をやや広めにし、数量を減らす。
  • 動きが小さい時間帯は距離を詰め、ダラダラ損失を広げない。
  • 重要イベントの直前直後は「見送る」も有効な選択肢。

記録と見直し

取引ノートに「逆指値の位置」「根拠」「結果」「気づき」を簡単に残すと、次回の精度が上がります。特に、約定しなかったケース(逆指値指値で置いたら残ってしまった等)を振り返ると、使い分けが上達します。

最後に、逆指値は「保険」であり「約束」です。置いたら原則として動かさない、動かすなら事前ルールに沿って動かす。この一貫性が成績を安定させます。

今日からできる小さな一歩

  • まずは最小数量で、損切りの逆指値成行を必ず入れる習慣をつくる。
  • 次にIFD-OCOを試し、利益確定と損切りをセット運用にする。
  • 最後にトレールを活用し、利益が伸びる局面の“取りこぼし”を減らす。

逆指値注文の方法は、慣れてしまえばシンプルです。価格が届いたら自動で動くという発想を軸に、用途(損切りか、ブレイクか)、執行方式(成行か指値か)、有効期限、数量の4点を整えれば、あとは実行あるのみ。小さく試し、振り返り、少しずつ精度を高めていきましょう。

本記事が、逆指値のしくみ理解から実践までの橋渡しになれば幸いです。迷ったら「損切りの逆指値成行を必ず入れる」から始め、次に「OCOで利益確定も同時に置く」を目標にしてください。これだけで、感情に流されない取引に一歩近づきます。

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