IFD注文とは|イフダンの仕組み・使い方・具体例までやさしく解説

IFD注文(イフダン注文)は、「もし最初の注文が成立したら、次の注文を自動で出す」という仕組みの注文方法です。 値動きを見張り続けなくても、あらかじめ決めた流れで売買を進められるのが大きな魅力です。 為替(FX)だけでなく、株式や先物、暗号資産など、対応するサービスは広がっています。
この記事では、専門用語をできるだけ使わずに、IFD注文の意味・メリット・使い方・具体例・注意点までを丁寧に解説します。 初めての方でも、読み終えたらそのまま設定に移れる実践的な内容を目指しました。
IFD注文の基本とメリット
IFDの仕組みをひとことで
IFDは「If Done(もし成立したら)」の略です。 1つ目の注文(エントリー)が成立した時点で、2つ目の注文(決済または次の指示)が自動で発注されます。 先に2段階の流れを決めておくことで、思い描いたシナリオをそのまま実行できます。
どんなときに役立つ?
- 忙しくて、チャートをずっと見ていられないとき
- 狙っている価格に来たら入り、その後の利益確定や撤退も機械的に行いたいとき
- 寝ている時間帯や市場が活発な時間に自動で注文をつなげたいとき
- 感情に流されず、あらかじめ決めたルールで取引したいとき
メリット
- 段取りを先に決めるため、注文漏れや押し間違いが減る
- 「入ったあとどうするか」を自動化でき、撤退の遅れを防ぎやすい
- 相場の流れが早いときも、エントリー後の対応がスムーズ
- 外出中でも計画通りに進みやすく、時間効率が上がる
デメリット(注意点)
- 価格が飛んだときは、想定より不利な価格で約定することがある
- 2つ目の注文内容を間違えると、利益確定や損切りが想定外になる
- 口座残高や枚数制限により、2つ目の注文が発注されない場合がある
- 有効期限の設定によっては、狙った期間に動かないことがある
具体例でわかるIFD注文(FX・株・暗号資産)
FXの例:米ドル/円を買いで狙うシナリオ
例として、米ドル/円が「150.00円付近から上に伸びそう」と考えたとします。 ただし、今すぐ買うのではなく、勢いが確認できる価格まで待ちたいケースです。
- 1つ目(エントリー):「150.50円で買い」注文をセット
- 2つ目(決済):「151.20円で利益確定の売り」または「149.70円で撤退の売り」をセット
この場合、最初の買いが150.50円で成立した瞬間、2つ目の売り注文が自動で出ます。 2つ目を利益確定だけにするのか、撤退だけにするのかは、IFDの仕様や自分の方針によって選びます。 多くの人は「利益確定」と「撤退(損切り)」の両方を同時に用意したいので、IFDにOCOを組み合わせた「IFD-OCO」を使います(詳しくは後述)。
価格の置き方の目安としては、直近の高値・安値、節目の価格(キリのいい数字)、移動平均などの「多くが意識しやすい線」を使うと、計画が立てやすくなります。
株の例:上抜けで買い→利益確定までを自動化
ある銘柄が2,000円の壁をなかなか超えられずにいました。そこで、
- 1つ目(エントリー):2,020円で買い(壁を抜けたら追随)
- 2つ目(決済):2,120円で利益確定の売り(または1,960円で撤退の売り)
エントリーの成立を条件に、次の売り注文を自動で出せるため、板を見続けなくても計画的に進められます。 決算発表や市況ニュースの前後は価格が飛びやすいので、すべり(想定外の約定価格)に注意して数量を調整しましょう。
暗号資産の例:夜間のブレイク狙い
暗号資産は24時間動くため、夜間のブレイク狙いでIFDが役立ちます。 例えばビットコインで、
- 1つ目(エントリー):上値の抵抗ラインを超えたら買い
- 2つ目(決済):想定リスクの2倍程度で利益確定、下振れ時は早めに撤退
ボラティリティ(値動きの大きさ)が高い市場では、価格が一瞬で行き来することがあります。 余裕を持った価格設定と、数量の抑制が安全につながります。
IFD注文の設定手順と画面の見方
基本の手順(一般的な例)
- 銘柄(通貨ペア)を選ぶ
- IFD注文を選択する(注文種別からIFDを選ぶ)
- 1つ目の注文(エントリー)の方向と価格を入れる(買い/売り・指値/逆指値)
- 2つ目の注文(決済)の方向と価格を入れる(利益確定または撤退の価格)
- 数量(ロット・株数)を入力する
- 有効期限(当日・週末まで・日付指定など)を選ぶ
- 想定損益を確認し、注文内容を確定する
画面でよく見る表示
- エントリー価格:最初に成立してほしい価格
- 決済価格:エントリー成立後に自動で出す価格
- 指値/逆指値:有利な価格で待つか、ブレイクを追うかの違い
- 有効期限:注文が生きている期間(過ぎると自動で失効)
- 想定損益:価格到達時の利益・損失の見込み(おおよその目安)
価格の置き方の考え方
価格は「根拠がある線」に置くと再現性が高まります。 直近高値・直近安値、トレンドライン、節目(キリ番)、出来高が多い価格帯などは、多くの参加者が目を向けやすいポイントです。 逆に、根拠が弱い位置に置くと、偶然の揺れで無駄な約定になりやすくなります。
数量とリスクの整え方
注文の前に、1回の取引で許容できる最大の損失額を決めておきましょう。 例えば、資金100万円で1回の損失を最大1%(1万円)までにしたいなら、「エントリー価格と撤退価格の差」から逆算して数量を決めます。 この考え方を先に固めると、感情的なポジションサイズの膨張を防げます。
失敗しないためのコツと注意点
設定前に確認したいチェックリスト
- 2つ目の注文の方向は合っているか(買い→売り、売り→買い)
- 利益確定と撤退の価格が逆になっていないか
- 数量が口座資金とルールに合っているか
- 有効期限は狙いの期間をカバーしているか
- 重要イベント(決算、経済指標、要人発言)の時間帯にぶつからないか
すべり(想定外の約定価格)への備え
値が飛ぶと、指定価格より不利な価格で約定することがあります。 対策として、数量を控えめにする、イベント前後を避ける、値が飛びやすい銘柄を避ける、などが挙げられます。 また、取引先によっては「成行に近い注文」になりやすい設定もあるため、仕様を確認しましょう。
約定しない・二重に約定する問題の回避
- 口座残高不足で2つ目の注文が出ないことがあるため、余裕資金を確保する
- IFDと通常注文の重複に注意し、同じ価格帯に被せない
- 同一銘柄で複数のIFDを出す場合、決済の整合が取れるようにメモを残す
「待ちすぎ」「追いすぎ」を避ける
ブレイク待ちの価格を遠くに置きすぎると、入った直後に押し戻されやすくなります。 反対に、近すぎるとダマシに引っかかりやすい。 目安としては、直近の上下幅(ボラティリティ)に対して、エントリー位置と撤退位置が釣り合っているかを確認してください。
よくあるミスを未然に防ぐコツ
- 「テンプレート」を作る(いつも使う幅・数量・有効期限を事前登録)
- 実弾前に「少量」でテストし、使い勝手と挙動を確認する
- 決済の根拠を1つに頼らず、2つ以上の根拠で重ねる
- 週またぎ・連休またぎはギャップ(窓)に注意し、期限や数量を見直す
IFD・OCO・IFD-OCOの違いと使い分け
IFDは「エントリーが成立したら、次の1つの注文を自動で出す」仕組みです。 一方、OCOは「2つの注文を同時に出し、片方が成立したらもう片方を自動で取り消す」という仕組みです。 IFD-OCOは、これらを組み合わせて「エントリー成立後に、利益確定と撤退の2本を同時に出し、どちらかが成立したらもう片方を取り消す」ものです。
- IFD:エントリー→(成立後)決済1本を自動発注。基本の二段構え。
- OCO:相反する2本を同時に待ち受け。どちらかが成立したら片方取消。
- IFD-OCO:エントリー成立後にOCOで決済を2本出す。利益確定と撤退を同時に管理。
どう使い分ける?
- 短期で素早く利幅を取る:IFD-OCOで決済を両建て的に待つ
- 段階的に利を伸ばす:IFDでまず薄利決済にし、残りは手動で伸ばす(または追撃で別のIFD)
- 重要イベントに備える:OCOで上抜け・下抜けの両案を先にセット
小さなコツ
- 利益確定と撤退の距離は、少なくとも1:1以上に。できれば1:1.5〜2:1を目安に
- キリのいい数字の少し手前/先に置くと、約定しやすくダマシも減りやすい
- ボラティリティが高い日は、価格の幅を広めにするか、数量を落とす
まとめると、IFD注文は「先に決めた段取りで自動化する」ための基本ツールです。 エントリーの後にどうするかを前もって決めておくことで、感情に左右されにくくなり、ミスも減ります。 はじめは小さな数量から、テンプレート化しながら慣れていきましょう。 使いこなせば、相場をずっと見ていなくても、自分のシナリオを静かに実行できます。
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